「せっかく綾部くんが一緒に帰ろうって言ってくれたのに…ごめん」
「なんで謝んの?」
「え?」
「なんで謝るんだよ」
予想外の言葉に、戸惑いを隠せない。
悪いと思ったから、謝ってるんだよ。
どうして、そんなこと聞くの?
「謝るなら、なんで宇野と帰った?」
うそ…どうしよう。
まさか、綾部くんがこんなにも怒ってるなんて、思ってなかった。
「謝るくらいなら、最初からすんなよ」
「うん…そうだよね…」
初めて見る綾部くんの姿。
私は驚きと恐怖を隠せないでいた。
だけど、悪いのは私。
こうなっても、仕方のないこと。
「西浦はさ、何なの?」
「え?」
「好きなの?宇野のこと」
「…え?」

