「西浦…」



美保が連れてきたのは、グラウンド。


目の前には部活中の綾部くん。


美保は、いつもそうだ。


私が困っていると、いつも助けてくれる。


今もこうして、私と綾部くんが話せるような場をつくってくれた。



「あ、あの…今、話せる?」

「あー…うん。休憩終わるまでなら」



ちゃんと口で謝ろう。


メールなんて薄っぺらいものじゃなくて。



「今日、来てたんだ」

「クラスの準備で…」

「順調?」

「ぼちぼち…さぼってる人の方が多いよ」



どう、切り出せばいいのかな。


いきなりゴメンって言っていいのかな。



「あの…昨日、ごめんね」



綾部くんは何も言わない。


私は言葉を続けた。