「なに手繋いでんのよ!」
「今さら?」
「離してよ!」
「さっきまで繋いでたのに」
だ、だってあれは…
私が黙ると、宇野くんはきゅっと強く繋いできた。
私、なにやってるんだろう。
「いいじゃん。減るもんじゃないし」
彼氏でもない男の子と手なんか繋いで。
ドキドキしちゃって。
いつかバチがあたりそう。
宇野くんは、どうして私なんかの手を握るの?
どうして、私なんかを家まで送ってくれるの?
「あーんちゃーん」
「な、ななに?」
「なんでもなーい!」
「はあ?」
宇野くんに聞きたいこと、いっぱいあるよ。
「俺、頑張るから」
「何を?」
「んー内緒!」
「はあ?」
宇野くんの言ってたことがわかるのは、まだもう少し先のお話。

