でも、でも。
宇野くんが笑ってくれてよかった。
「えっ帰んの?」
「帰る!さよなら!」
いつも元気な人が元気じゃないと、やっぱり心配だよ。
もういつもの宇野くんに戻ってくれた…んだよね?
「待って。送るから」
「送んなくていい!」
「いいから」
「私の家すぐそこなんだけど」
もとの宇野くんに戻ってくれたことは嬉しいけど、恥ずかしすぎるよ!
もー宇野くんの顔なんて見たくない!
「腹減ったね」
「ついて来ないで!」
「アイス食べたい」
そう言って手を繋ぐ宇野くん。
さっきとは違う、優しい繋ぎ方。
さっきのは、繋ぐっていうより引っ張られてたから。
私は自分の手元を見て、何故かドキドキする胸をおさえた。
って!!

