「何か悩んでるの?」



私は宇野くんの目の前にしゃがんで言った。


宇野くんはえ、と声を出したけど、またすぐに下を向いた。



「…杏ちゃん」

「ん?」

「…見えてる」



へ?


見え?


見えて、る?


るー!?!?



「さささ最低!!」



私は勢いよく立ち上がって制服のスカートを正した。


もう、最悪すぎるよー!


よりによって宇野くんにっ…



「見せてきたのは杏ちゃんでしょ?」



そう言って宇野くんは笑った。


笑った。


久しぶりに見た、宇野くんの笑顔。



「ち、ちがっ!~私、もう帰る!」



信じらんない!