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「西浦見た!?俺のシュート!」

「見たよーおめでとう!」



試合は2-0で、私たちの高校が勝った。


綾部くんも1点シュートを決めていて、とてもかっこよかった。



「西浦、もう帰る?」

「うん。特に用事もないし」

「じゃあ一緒に帰ろう!荷物とってくる!」



そう言うと、綾部くんは走ってグラウンドに戻っていった。


それにしても、綾部くんすごいなあ。


あんなにサッカーうまいなんて、知らなかったよ。


そして、ふと、顔をあげたとき。


目があったんだ、あの人と。



「…杏ちゃん?」

「宇野くん…」



文化祭の準備で来ていたであろう宇野くんは、私を見て少し驚いていた。



「なに、その格好」



宇野くんはいつもより少し制服を着崩して、ところどころにペンキがついている。



「顔にもペンキついてるよ」

「文化祭の準備」