「杏ちゃーん!一緒に帰ろ!」




放課後。


SHRが終わると、すぐにやってきた宇野くん。


それも、満面の笑みで。


何かに怒ってたんじゃないの?




「う、宇野くん?」




ん?って言って、顔を覗き込んでくる宇野くん。


ち、近いよ…


なんだか恥ずかしくなって、私は顔を逸らした。




「もう怒ってないの?」


「え?ああ…怒ってるよ?」




怒ってるんだ、やっぱり。


でも、何に怒ってるの?


もしかして…私?


私、何かしたっけ?




「怒ってるけど、もうおこるのはやめたの!」




そう言って私の手をとる宇野くん。


教室中がざわざわいいだす。


“やっぱ付き合ってんだよ”


私の耳に届いた声。


とっさに、つながれていた手を離した。