「は、走ろう!!少しくらい始まってもいいよ!」
「えっ、ちょ…西浦!?」
「映画見たいじゃん!ほら、早くー!」
_____
「おもしろかったね」
「そう?なら良かった」
映画が見終わって、今は帰り道。
結局10分遅れて、私たちは席についた。
「あ、綾部!!なにお前、成功したの!?」
その声に振り向くと、部活帰りなのかサッカー部数人がニヤニヤしながらこっちを見ていた。
…なんか、嫌な感じ。
「お前ら…ふざけんなよ!?」
「怒んなってー!良かったじゃん、映画見れたんだろ?」
「まあ…」
サッカー部2人に肩を組まれている綾部くん。
そっか。
綾部くん、サッカー部なんだった。
ってことは…今日も部活あったんじゃないの?
「今日さ、綾部の誕生日なんだよ」
「へ?」

