宇野くんは斜め下を見て、私と目を合わせようとしない。


宇野くん?


どうしちゃったの…?




「どうしたの?今日、なんか変だよ?」


「…別に、変じゃない」




そう言うと、宇野くんはぶすっと頬杖をついた。


いつもはあんなこと言わないのに、どうしちゃったの?




「西浦!ごめん、待った?」




息を切らして教室に入ってきた綾部くん。


急いできたのかな?




「あれ、なんで宇野が…?」


「…待たせてんじゃねー」


「いやだから、なんで宇野…」


「うっせ。お前に関係ねんだよ」




そう言って、宇野くんは教室を出ていった。


やっぱり、何かあったのかな?


なんか、いつもと違うよね?




「ごめん…待ったよね?」




まだ息を切らしている綾部くんは、時計を見てハアアとため息をついた。




「くっそ、あいつら…」


「ど、どうしたの?用事って何?」


「え!?ああ…とりあえず帰ろっか」