今日はなんだかため息をつかれてばっかりだ…
「ほら、小林くんと帰る約束してるんでしょ?」
「杏は綾部のこと待ってるの?
「用事が何なのかわかんないし…待ってみるよ」
教室を見渡すと、綾部くんの姿はない。
どこ行ってるんだろ?
「そっか。じゃあ、また明日ね」
美保を見送って、私は机に突っ伏した。
今日はなんだか…濃い1日だったなあ
綾部くんの用事、何だろう…?
「…杏ちゃん」
「え…」
その声に顔をあげると、美保の席に座った宇野くんがいた。
ちなみに、美保の席は私の1つ前。
「綾部を待ってるの?」
教室を見渡すと、やっぱり綾部くんの姿はなくて。
私たちの他には、あと4、5人しかいなかった。
「綾部くん…どこ行ったんだろ?」
「…今日は俺と帰る日でしょ?」
…はい? 何その日…
「なんで綾部と帰んの?」

