あの日から4日が過ぎ、このままではダメだとお互いにきっかけを待っていた。
夏休みに突入し、スミレと居られる楽しい日々も、スミレに会いたくなくて部屋に籠っていた。
避けられ度何もできなくなる自分を攻め、傷つき心はボロボロだった。
 引きこもっているお陰で、クラス中からブーイングを浴びた宿題がはかどりすぎて、やることが無くななりかけていた。


『憂鬱すぎる……』


 一週間後の花火大会までにはなんとかしたいけど、正直行きたくない。
机に頬を付き、片方の腕をダラ~ンと机の下に伸ばしながら、半分も貯まっていないあめ玉の入った瓶を見つめた。
 夏休みに入ってから外にでなくなったから、あめ玉もあれから増えていない。
 この瓶があめ玉で埋まる日が来るんだろうか?「たいくつ?」ふと蘇った言葉に『あぁ、かなり』と返した。


『なんかもう、どうでもいいや』


組み敷いた腕に顔をうずめ、ズキズキ痛み続ける心と精神の限界を感じていた。
 コンコンッ──
部屋をノックする音に、友紀ちゃんだろうとそのままの体制で返事をすると、声もなくドアが開いた。


『なに?洗濯物ならベッドに置いておいて?』


 声を掛けるも一向に返事が返ってくる気配も入ってくる様子もなく不振に思い振り向くと、ドアノブを掴んだまま目を伏せ立っているスミレが居た。


『っ……!』


また胸がズキッと痛んだ。


『なに?』


驚きを隠し普段よりも低い声でもう一度訪ねると、「秋が、来たから」とその後ろから気まずそうに秋が顔を出した。


「よお……」


『……おう』


目を伏せそう返事を返した。