いとこ ~2度目の初恋~

 部屋までの距離をスミレの言葉と表情を思いだし、一人ニヤケていた。
『自分で考えろ。』そんな事を言われたら良い方に考えちゃうけど、良いのかな?
 ──ドアノブに手をかけた時、ポケットが震えた気がしてケータイを出し部屋に入りながら開くとメールが来ていた。


『秋?珍しい。』


メールを開くと〈ちゃんと話せたか?〉の一行だけだった。
《秋のおかげで普通に話せた》ありがとうと打ち消してしまった。
ベランダに出ると相変わらずの空になんだかホッとする。
秋は部屋にいるのか電気の明かりでうっすらカーテン越しのシルエットに笑いまたホッとしていた。
そのあとに返って来た言葉は〈よかったな^^〉絵文字入りだった。


〈なぁ、今日の夕飯なに?〉《カラアゲ》会うか電話で話せば早い会話も何故かメールしていた。
こんな事いままでなかったから、新鮮に感じる。
時間を忘れ秋とのメールに没頭していて電気をつける事も忘れていた。
 ふと我に返った時、思い出したようにお腹が鳴った。


『お腹すいた……』


ベッド脇のデジタル時計を見ると、もうすぐ7時になる事を知らせた。
誰も呼びに来ないのを変に思い一階に下りると、テーブルの上にはごちそうが並んでいた。


「おとうさんもう少しで家に着くって」


嬉しそうに俺に伝える姿に『フッ』と笑みが零れる。


『テレビでも観て待つか。』


ソファに座ると秋にメールを返した。


「晴斗。」


顔をあげると少し不貞腐れた顔で俺を見下ろしていた。


『ん?』