「おかえり~。あれ?秋と一緒じゃなかったの?」
俺を出迎えたのはスミレだった。
『さっき帰った』
「なんでっ?!」
『話したかった?』
「いや、そういうんじゃないけど」
『まだいると思うから、話してくれば?』
「ううん。そのうち会えると思うから」
『そっか……』
いつもは靴を脱いで真っ直ぐ階段に向かう足を、今日はリビングに向けてみた。
秋と話して、スミレの側にいたいと思う気持ちを抑えるのを止めてみようと思った。
「あら!珍しい」
俺が3時頃からリビングに居るのは友紀ちゃんも驚くほどめったにない事で、落ち着かないままソファに座りワイドショーを見ていると、無言でスミレが隣に座った。
「なんか、雰囲気変わったね?」
『誰の?』
「誰って晴斗しかいないじゃん!」
『そっか』
クスクス笑うすみれの声は、台所から聞こえる友紀ちゃんの鼻歌でかき消された。
「晴斗」
『ん?』
顔を戻すと、スミレ顔が目の前にあった。
ドキドキしてる俺とは対照的に、ニコニコ笑いながら「電話くれたのもだけど、誘ってくれたの嬉しかったよ」と俺にだけ聞こえるように言うと、すぐに離れてしまった。
『……断られるの覚悟で誘ったから、俺も嬉しかった。』
スミレの肩が当たる度にドキドキして、そう答えるのが精一杯だった。
「どうして断られるって思ったの?」
『いや、何となく……俺なんかが誘っても嬉しくないだろうなって、思ってたし。
秋と間違えてるとかじゃないよね?』
「晴斗の声は間違えないよ。」
『あ……うん。ありがと……』
俺の声は間違えない。
その言葉がすごく嬉しかった。他の誰かじゃない、俺の声。
「そういえば、秋となに話してたの?」
『ん?色々。
今までしたことがない話しとか、あと俺の気持ち勝手に話してきた。』
「どんな話しか聞いても大丈夫?」
『いいけど、すごい嫌な話しだから。』
「うん。大丈夫」
『……俺、子供の頃から秋が嫌いで。
それは過去形なんだけど、言ったこっちが拍子抜けほど明るいトーンで「気にしたこと無かった」って言われてすごいなって。』
短く息を吐いた後、下手くそな笑顔を作った。
俺を出迎えたのはスミレだった。
『さっき帰った』
「なんでっ?!」
『話したかった?』
「いや、そういうんじゃないけど」
『まだいると思うから、話してくれば?』
「ううん。そのうち会えると思うから」
『そっか……』
いつもは靴を脱いで真っ直ぐ階段に向かう足を、今日はリビングに向けてみた。
秋と話して、スミレの側にいたいと思う気持ちを抑えるのを止めてみようと思った。
「あら!珍しい」
俺が3時頃からリビングに居るのは友紀ちゃんも驚くほどめったにない事で、落ち着かないままソファに座りワイドショーを見ていると、無言でスミレが隣に座った。
「なんか、雰囲気変わったね?」
『誰の?』
「誰って晴斗しかいないじゃん!」
『そっか』
クスクス笑うすみれの声は、台所から聞こえる友紀ちゃんの鼻歌でかき消された。
「晴斗」
『ん?』
顔を戻すと、スミレ顔が目の前にあった。
ドキドキしてる俺とは対照的に、ニコニコ笑いながら「電話くれたのもだけど、誘ってくれたの嬉しかったよ」と俺にだけ聞こえるように言うと、すぐに離れてしまった。
『……断られるの覚悟で誘ったから、俺も嬉しかった。』
スミレの肩が当たる度にドキドキして、そう答えるのが精一杯だった。
「どうして断られるって思ったの?」
『いや、何となく……俺なんかが誘っても嬉しくないだろうなって、思ってたし。
秋と間違えてるとかじゃないよね?』
「晴斗の声は間違えないよ。」
『あ……うん。ありがと……』
俺の声は間違えない。
その言葉がすごく嬉しかった。他の誰かじゃない、俺の声。
「そういえば、秋となに話してたの?」
『ん?色々。
今までしたことがない話しとか、あと俺の気持ち勝手に話してきた。』
「どんな話しか聞いても大丈夫?」
『いいけど、すごい嫌な話しだから。』
「うん。大丈夫」
『……俺、子供の頃から秋が嫌いで。
それは過去形なんだけど、言ったこっちが拍子抜けほど明るいトーンで「気にしたこと無かった」って言われてすごいなって。』
短く息を吐いた後、下手くそな笑顔を作った。


