いとこ ~2度目の初恋~

 秋が大人に見える。
一緒に育ってきたハズなのに、どうしてこんなに違うんだろう?
素直になったら嫌な自分と向き合わなくちゃいけないと知っていたら、知っていてもこうなる自分を選んだんだろうか?
 こうやって色んな人に迷惑かけて、自分の力だけじゃ何もできない子供のまんま大人になりたいとだけ願う。
 それでも、ガキはガキなりに考えてるんだぜ?なんて。これ以上迷惑をかけたくなくて、顔を上げると──


「俺は迷惑だって思ってないから。」


『あ、うん。』


見透かされてた。
シルバーの手すりに腰で座り、そういった秋をかっこいいと思った。


『なんで、わかった?
俺が迷惑だって考えてること…』


「何となくそんな気がした。
 お前の言う通り、東雲が告白なんてしなかったら、こんな風になってないんだもんな……
手紙一つで人ってここまで変わるんだな?」


感心しながら笑っていた。
たかが。されど。そんな言葉が浮かぶ。
手紙で変わる人生……そう考えたら笑えてきた。


『フッ……』


「でも、晴斗とこうやって話せるから、良かったのかな?」


『うん……』


 全て分かってるような口振りがずっと嫌いで。いつも「何も知らないくせに」って強がってたけど、どこかで待ってたのかな?秋の言葉......。


『なんか、ありがとう』


「いきなりなんだよ?!」


『ん?なんか、言いたくなった。』


 きっと何万回「ごめんなさい」を繰り返しても秋は笑って許すから、今までの「ありがとう」と「ごめん」一緒に返すよ。
ごめんが嫌いみたいだから、ありがとうと一緒でいいよな?


『よし!』


立ち上がると、思いっきり背伸びをした。


「もういいのか?」


『うん、秋と話してたら大丈夫な気がしてきた。ワザワザありがとな?』


「ん、がんばれよ!?」


『お前もな?』


笑顔で言葉を交わし、玄関の扉を開けた。


『じゃあ』


「また」


ゆっくり閉まる扉の隙間から、帰って行く秋の背中がまた少し大人に見えた。


『……ただいま』


いつものトーンで言えた事にホッとした。