いとこ ~2度目の初恋~

秋に渡されたティッシュを抱え、涙と鼻水を拭いている途中、可笑しくも無いのに笑いが込み上げてきた。
 ティッシュで鼻を挟んだまま、クスクス笑っているのにも限度があり、我慢出来ず笑った。


「晴斗?」


『ククッ……なんか、可笑しくてっ』


心配して覗き込む戸惑った顔がおもしろくて、さらに笑った。
周りから見れば普通のかおだったと思う。
それでも、今の俺にはおかしく見えた。
 こんなに笑ったのも初めてで涙が出る事も知った。
ずっと張り詰めていた糸が緩んで延びてしまったみたいだ。


「なあ、その笑い方止めろよ......変だぞ?」


そう心配する秋の存在が大きすぎて、今さら気づいた。
こんな俺と一緒にいてくれてありがとう。そう笑いながら思った。


『悪いっ、笑い方知らなくてっ……クククッ!』


さんざん笑い落ち着いた頃、今度は秋が吹き出し、それにつられまた笑った。
腹を抱え涙を拭いながら────


『俺、秋に謝りたい事があるんだ……』


笑い疲れ、ベッドに横になってる秋にそう切り出した。


「なに?」


『子供の頃から最近まで、俺、お前の事嫌いだった』


「なんだ。そんな事か。気づいてたよ損くらい。気にしたことなかったけど」


意外な答えだった。


「距離があるのは感じてたけど、俺だけは離れちゃいけない!って子供ながらに思ってたし。それに過去形っぽいし?」


『うん。でもごめん』


「別にいいって!」


笑って許してくれる秋に、また甘えていた。


『秋に嫉妬するのも変な話だけど、羨ましかった。
同じ人間なのに、何が違うんだろうって。違って当たり前なのに......』


「俺も、晴斗に嫉妬してるからお相子だよ。」


『え?』


「理由は察しろ!」


『うん……』


その言葉ですぐに東雲の顔が浮かんだ。