いとこ ~2度目の初恋~

 あれは、中学二年にあがってしばらくしてからの事だ。 またしても同じクラスになった俺と秋は、互いに見合い苦笑いしていた。


〈これで何回、いや何年目だ?〉


《さあ?途中で諦めた》


そんな会話をしたのを今でもハッキリと覚えてる。もっと忘れちゃいけないような事も話した気がするけど、今はもう思い出せない。
 家に帰れば、両家の親が投げ出した面倒を引き受けたスミレが待っていて、受験勉強で忙しいにも関わらず、スミレは弱音も文句も言わなかった。
 そんな姿を見て、どちらともなく手伝い始めた。


 ──そんな生活にもなれた頃だった。 その日、先生に呼ばれていた俺は秋に待っていなくていいと告げ教室を出た。
 職員室で何を言われるかは、おおよその検討はついていた。〈お前、将来のこと真剣に考えてるか?〉やっぱり。
ため息を堪え、曖昧な返事を返した。


 行きたい高校も無ければ夢もない。 大学まで行ったとしてもサラリーマンになって終わり。
 上司に文句を言われながら仕事をこなし、職場で出会った人と結婚をして、子供が生まれて、定年を迎えるまで体をこき使うのが目に見えるっていうのに


《今の成績で行ける所ならどこでもいいです》そう返したら、困った顔をされた。


〈本当にやりたい事とか無いのか?〉


《はい》


〈両親に話を聞きたいが、留守じゃあなぁ〉


そんな会話が何度か繰り返され、結局保留で終わった。