どのくらいの時間ボーっと空を眺めていたのか、降り始めた雨が全ての音を奪っていった。
「っ、ゴホッゴホッ……」
『大丈夫か?』
「ん……多分」
さっきより酷くなってる。
『水持ってくるから待ってろ』
投げ出された体温計を横目に見ながら、飲み物を取りに行くため部屋を出た。
──一階に下り、自分を落ち着かせると何食わぬ顔でドアを開けた「お邪魔してま~す!」と夏子さんが手を振っている。 それに会釈しながら、なるべく自然に見えるようキッチンに向かい冷蔵庫を開けた。
『……何もないし』
怪しまれないよう水のペットボトルを取ると、『ごゆっくり』と愛想笑いをし足早に部屋へと戻った。
『無駄に疲れる』
「ごめん、晴斗」
『いいって』
寝ている秋の身体を起し水を渡すと、冷たいのか顔をしかめた。
「ハァー……」
『もういいのか?』
「うん、後で飲む」
一口だけ飲んだペットボトルのキャップを閉め、テーブルに置いた。
『声かすれてきたな?』
枕元の体温計の表示板を改めて見ながら、話しかけた。
39度……かなり出てる。
「え? 本当だ!げすぇハスキー、アハハッ!ゴッホッゴホッ……」
お腹を押さえ、咳をするたび体が前のめりになる背中を擦りながらタメ息を吐いた。
『調子に乗るから』
「うぅ、あちこち痛い」
『ほら、大人しく横になって』
素直に横になる秋に布団をかけ直し、時計に目を移した。
『薬……ごはんが先か、なんて説明しよう?』
「ごめん」
『だから気にすんなって、秋が俺の立場でも同じ事するだろ?』
「当たり前──」
『それと同じだ。謝る必要ないから、風邪治すことに専念して寝てろ』
落ち着いた秋は俺の言葉に頷き、囁くように「ごめん……。」と「ありがとう」を口にした。
──窓の向こうを眺め、買いに行こうか悩んでいると、俺の考えに気づいたのか突然「友紀ちゃんがくるの待つから」と言った。
「っ、ゴホッゴホッ……」
『大丈夫か?』
「ん……多分」
さっきより酷くなってる。
『水持ってくるから待ってろ』
投げ出された体温計を横目に見ながら、飲み物を取りに行くため部屋を出た。
──一階に下り、自分を落ち着かせると何食わぬ顔でドアを開けた「お邪魔してま~す!」と夏子さんが手を振っている。 それに会釈しながら、なるべく自然に見えるようキッチンに向かい冷蔵庫を開けた。
『……何もないし』
怪しまれないよう水のペットボトルを取ると、『ごゆっくり』と愛想笑いをし足早に部屋へと戻った。
『無駄に疲れる』
「ごめん、晴斗」
『いいって』
寝ている秋の身体を起し水を渡すと、冷たいのか顔をしかめた。
「ハァー……」
『もういいのか?』
「うん、後で飲む」
一口だけ飲んだペットボトルのキャップを閉め、テーブルに置いた。
『声かすれてきたな?』
枕元の体温計の表示板を改めて見ながら、話しかけた。
39度……かなり出てる。
「え? 本当だ!げすぇハスキー、アハハッ!ゴッホッゴホッ……」
お腹を押さえ、咳をするたび体が前のめりになる背中を擦りながらタメ息を吐いた。
『調子に乗るから』
「うぅ、あちこち痛い」
『ほら、大人しく横になって』
素直に横になる秋に布団をかけ直し、時計に目を移した。
『薬……ごはんが先か、なんて説明しよう?』
「ごめん」
『だから気にすんなって、秋が俺の立場でも同じ事するだろ?』
「当たり前──」
『それと同じだ。謝る必要ないから、風邪治すことに専念して寝てろ』
落ち着いた秋は俺の言葉に頷き、囁くように「ごめん……。」と「ありがとう」を口にした。
──窓の向こうを眺め、買いに行こうか悩んでいると、俺の考えに気づいたのか突然「友紀ちゃんがくるの待つから」と言った。


