──花火の後片付けを終えて部屋に戻ると、疲れて眠ってしまったスミレが目についた。
その寝顔に癒されながらふと窓の外に目を向けると、霧雨が降っていた。
耳を澄ませると聞こえる静かな雨音を聞きながら、スミレの隣に潜り込み華奢な体を抱き締め眠りについた。
──翌朝、目が覚め隣を見ると俺のシャツをつかんだまま眠るスミレがいた。寝ぼけ眼で昨日の事を思い返し、思わず笑みがこぼれる。
柔らかな髪を撫で、クルクルと指に巻き付け遊んでいると「ん~……」と寝返りを打つ。
『今日、帰るんだっけ?』
独り言を呟きながら、夢でも見てるのか笑ってるほっぺをつつくと、くすぐったそうに俺の手を払い除けた。
『明日から旅行かぁ……、俺もいつか行きたいな。』
こんな時、自分がスミレといる場所が違いすぎて不安になる。
『……もう少し寝ようかな?』
体を起こしおでこにキスをすると、くすぐったいのか布団の中に顔を隠してしまった。
『フフッ……おやすみ』
スミレを抱き寄せた時、腰に回した手が偶然服の中に入ってしまい、イケナイと思いながらも柔らかくスベスベな肌を撫でると、寝ているはずのスミレの体がピクンッと反応した。
その手を脇腹から徐々に胸の方へと手を這わせながら、小さく漏れる声に笑みを浮かべた。
「っん……」
その手を止め、『……もう少しする?』
布団に向かって声を掛けると、モゾモゾと顔を出したスミレが真っ赤なで「エッチ……。」と言った。
潤んだ瞳に見上げられ、理性が保てなくなる前に服の中から手を抜いた。
悪戯な笑みを向け『おはよう』と言うと、「おはようございます!」とちょっぴり不機嫌な声が返ってきた。
『で、いつから起きてたの?』
「旅行かぁの辺りから……驚かそうと思ったら先に仕掛けられた。」
悔しそうに拗ねた顔のスミレのおでこにもう一度キスをした。
暫く見つめ合い、少しずつ指を絡めながら、どちらからともなくキスをした。
──あと数時間後には帰ってしまうスミレの体温を、感触を、声を体に覚えさせるように何度も名前を呼び、照れ臭い言葉を飽きるまで囁いた。
どれだけ好きでどれだけ大切か、拙い言葉で伝え続けているうちに気づけばスミレは再び眠りに就いていた。
───目を覚ました時、笑って『またね!』が言えるかわからないけど、今はこの幸せに浸っていたい。
降り続く雨音と寝息をBGMに、自然に閉じていく瞼を惜しみながら閉じた。
──不規則に聞こえるメロディーは時々風に流され、曲調を変えて戻ってくる。
スミレを抱き締めながら見た夢の中で、僕は少女に会った。
その少女は僕に微笑み「つまらないの?」と訊いた。
デジャヴのような質問に迷うことなく
『楽しいよ?スゴく幸せ。』
そう噛み締めるように言うと、少女はニッコリ笑い黙って拳を俺に向けた。
そっと開かれた手の中には、スミレと見上げた夜空と同じ藍色の飴玉が乗っていた。
黙って受けとると少女は手を振りどこかにいってしまった。
──いま思えば、あの時の飴との出会いが僕の全てを変えてしまったのかもしれない。
少しだけ子供に戻って、戻った分少しは大人になっているんだろうか?
少なくとも今は、そうなっていて欲しいと夢の中にいても分かる体温に触れながら、慣れない『……愛してる』を呟いた。
─End─
その寝顔に癒されながらふと窓の外に目を向けると、霧雨が降っていた。
耳を澄ませると聞こえる静かな雨音を聞きながら、スミレの隣に潜り込み華奢な体を抱き締め眠りについた。
──翌朝、目が覚め隣を見ると俺のシャツをつかんだまま眠るスミレがいた。寝ぼけ眼で昨日の事を思い返し、思わず笑みがこぼれる。
柔らかな髪を撫で、クルクルと指に巻き付け遊んでいると「ん~……」と寝返りを打つ。
『今日、帰るんだっけ?』
独り言を呟きながら、夢でも見てるのか笑ってるほっぺをつつくと、くすぐったそうに俺の手を払い除けた。
『明日から旅行かぁ……、俺もいつか行きたいな。』
こんな時、自分がスミレといる場所が違いすぎて不安になる。
『……もう少し寝ようかな?』
体を起こしおでこにキスをすると、くすぐったいのか布団の中に顔を隠してしまった。
『フフッ……おやすみ』
スミレを抱き寄せた時、腰に回した手が偶然服の中に入ってしまい、イケナイと思いながらも柔らかくスベスベな肌を撫でると、寝ているはずのスミレの体がピクンッと反応した。
その手を脇腹から徐々に胸の方へと手を這わせながら、小さく漏れる声に笑みを浮かべた。
「っん……」
その手を止め、『……もう少しする?』
布団に向かって声を掛けると、モゾモゾと顔を出したスミレが真っ赤なで「エッチ……。」と言った。
潤んだ瞳に見上げられ、理性が保てなくなる前に服の中から手を抜いた。
悪戯な笑みを向け『おはよう』と言うと、「おはようございます!」とちょっぴり不機嫌な声が返ってきた。
『で、いつから起きてたの?』
「旅行かぁの辺りから……驚かそうと思ったら先に仕掛けられた。」
悔しそうに拗ねた顔のスミレのおでこにもう一度キスをした。
暫く見つめ合い、少しずつ指を絡めながら、どちらからともなくキスをした。
──あと数時間後には帰ってしまうスミレの体温を、感触を、声を体に覚えさせるように何度も名前を呼び、照れ臭い言葉を飽きるまで囁いた。
どれだけ好きでどれだけ大切か、拙い言葉で伝え続けているうちに気づけばスミレは再び眠りに就いていた。
───目を覚ました時、笑って『またね!』が言えるかわからないけど、今はこの幸せに浸っていたい。
降り続く雨音と寝息をBGMに、自然に閉じていく瞼を惜しみながら閉じた。
──不規則に聞こえるメロディーは時々風に流され、曲調を変えて戻ってくる。
スミレを抱き締めながら見た夢の中で、僕は少女に会った。
その少女は僕に微笑み「つまらないの?」と訊いた。
デジャヴのような質問に迷うことなく
『楽しいよ?スゴく幸せ。』
そう噛み締めるように言うと、少女はニッコリ笑い黙って拳を俺に向けた。
そっと開かれた手の中には、スミレと見上げた夜空と同じ藍色の飴玉が乗っていた。
黙って受けとると少女は手を振りどこかにいってしまった。
──いま思えば、あの時の飴との出会いが僕の全てを変えてしまったのかもしれない。
少しだけ子供に戻って、戻った分少しは大人になっているんだろうか?
少なくとも今は、そうなっていて欲しいと夢の中にいても分かる体温に触れながら、慣れない『……愛してる』を呟いた。
─End─


