いとこ ~2度目の初恋~

さんざん泣いてベッドに鼻擤みティッシュの山作った頃、しゃくりをあげるミレが「ごめんね」と呟いた。


『落ち着いたか?』


「うん」


鼻声のスミレが小さく頷いた。


『もう少しこのままでいるか?』


「うん。」


再び頷くスミレの背中を撫で、しゃくりとどっちの心臓の音なのか、聞こえる鼓動に耳を澄ませ瞼を閉じた。


『俺さ、諦めようと思った事があったけど、続けることにした。』


「……かんばってね。」


そう返事をしたスミレのしゃくりはいつの間にか治まり、眠くなったのか、俺から離れると目を擦りながらアクビをした。


『フッ、寝るか?』


「うん。ごめんね、服汚しちゃった。」


涙で濡れたシャツを見るスミレの涙を拭い、鼻をかませた。
 その間ベッドのゴミを捨て、涙Tシャツを着替えた。
 ヒンヤリとした服の冷たさは、染み込んだ涙より温かく感じた。


『よし、部屋まで送るよ』


「……」


声を掛けても反応が無く、スミレの前にしゃがみ顔を覗き込むと、下を向いたまま唇を噛んでいた。
 『どうした?』の言葉に首を振り、『まだ泣きたりない?』の問いにも首を左右に振った。


『……1人になるの、嫌か?』


その問いかけに、微かに頭が動いた。


『じゃあ、スミレが眠るまで添い寝してやるから、部屋戻ろ?』


「嫌。」


まるで子供のようにイヤイヤを繰り返し、部屋に戻りたがらないスミレにどうしたいのか訊ねた。


『スミレは、どうしたい?』


「私は……」


『ん?』


なかなか口を開かないスミレの言葉を、ひたすら待った。
 時間だけが過ぎ、足先が冷えても、スミレの口から何がしたいのか言うまで待った。


「一緒に……」


『うん』


「晴斗の隣で眠りたい。起きた時1人だと怖いから……」


『うん、分かった。』


話を聞き終わると、再びクローゼットを開け中からタオルケットをもう一枚出し、ベッドの隅に追いやられているもう一枚と重ねて敷いた。


『よし、いいよ?』


俺の声にのそのそとベッドの上を移動し、タオルケットの中に潜り込むのを見守ったあと、ベッドに腰掛け一息ついた。


「ねえ」


服の裾を引っ張られ振り向くと、口元をタオルケットで覆いながらジッと俺を見ていた。


『どうした?』


「寝ないの?」


『お前が寝るまで起きてる』


「……晴斗も一緒に眠って?」


『……』


「嫌?」


言葉に詰まる俺の気持ちも知らないくせに、そんな姿で可愛い事言うなよ。
 キス以上の事をしてしまいそうで、必死に煩悩を消し去った。