いとこ ~2度目の初恋~

 ──一階に下りると友紀ちゃんが夕食の支度をしていた。


「手伝わないと……」


慌ててリビングに向かうスミレを引き留め、振り向き驚いてる前髪に手を伸ばした。


「な、なに?」


『どこでこんなの付けてきたの?』


綿ごみを見せると目を丸くし、「知らない!」と友紀ちゃんの元へ駆けて行った。


『フッ。顔真っ赤』


リビングに入って早々、友紀ちゃんに呼ばれた。


「晴斗、これ敷いて!」


渡された鍋敷きをテーブルに置くと、大きな鍋を慎重に運ぶスミレが歩いてきた。


『手伝おうか?』


手を伸ばした所でスミレに「大丈夫!」と断られてしまった。


「ヨイ、ショ!」


テーブルに鍋を置くと、スミレはニッコリ笑った。


『怪我したらどうするんだよ。』


「晴斗に手当てしてもらう」


無邪気に笑う姿をみながら、タメ息を吐いた。
 冷蔵庫から缶ビールを取り出し、またタメ息をつくと、友紀ちゃんに笑われてしまった。


「晴斗も大変ね?」


『……俺ってそんなに頼りなく見える?』


「んー、晴斗に見て欲しいんじゃないの?



『何を?』


「晴斗ビール温くなるから持っていくね?」


そう言って俺の手からビールを持っていってしまった。


『……はぁー。スミレの考えてることが分からない』


「おとなしく座ってればいいのに。」


また笑われてしまった。


『たまには手伝うよ』


「そう?でも、これしか残ってないけど?」


と箸を渡された。


『……ハァー』


本当に俺がしたいのはこんな事じゃなくて、もっとスミレの役に立つ事なんだけどなぁ。


「ほら!早くしないと、また取られるわよ?」


『うん……。』


「あ、晴斗」


『ん?』


「晴斗が考えてるより分かりやすい子よ?似た者同士って近すぎると気づかないものなのかしら?」


そう言って考え込む友紀ちゃんは「難しいことだらけだけど、頑張って。
応援してるから」


と笑った。


『……うん?よく分からないけど、ありがと』