いとこ ~2度目の初恋~

 ──目を覚ますとまだスミレは眠っていた。


『今何時だろう?』


真っ暗な部屋の中スミレの寝息だけが聞こえる。
また泣かせてしまったと反省しながら、スミレの言葉を思い返していた。
「思い出すで待ってる」
なんの事かも分からないのに、待たれても困るんだけど……
 タメ息を吐いたらスミレが動いた。


『……何してるんだろう?俺』


スミレには俺の心臓の音、聞こえてるんだよな?
ドキドキしたらどうしよう?


『それより、花火どうしよう』


「……行かないの?」


『ん?起きた?』


「花火、やっぱりダメ?」


『ん~……行きたいけど。』


「けど?」


 誘っておいて断るなんてサイテーな事してるのにどうして一緒に行ってくれるんだろう?


『何があっても行くって言える?』


「うん。」


ハッキリ言い切るスミレは深いタメ息を吐いた。


「晴斗今ドキッてした」


『……起きたなら退いてくれる?』


「花火一緒に行くって言うまで離れない」


『じゃあ、言わない。』


「なんで?」


勢いよく顔を上げ、子犬のような顔を俺の胸に埋めた。


「私とは行きたくない?」


『そうじゃなくて、もう少しこのままが良くなったから。』


そう言って細いウエストに腕を回し、強めに抱き締めたら「バカ」と言われた気がした。


「約束だからね?花火」


『うん。スミレってワガママなのな?』


知らない一面を知る度にドキドキして、ワクワクして、愛しくなる。
泣き虫で、意外に嫉妬する姿にドキドキしながらフッと不安になる時がある
 俺よりスミレの事を知ってる人がいると思うと、モヤモヤしてくる。


「晴斗の前だけだよ」


『……。』


 俺のこと好き?
そう聞いたら、きっと好きだよって笑うんだろうな……。
 なあ、その好きは俺と同じ?


『ありがと。』


そんなこと思ってないのに。


「晴斗、今日見たって言う夢の話し、忘れないでね?」


『夢?急にどうしたの?』


「大事な事だから。」


『うん……わかった。』


 しばらくの間沈黙が続いた。
それがどのくらい続いたのか、「そろそろ起きないと」そう言ってスミレが俺から離れた。
 まだスミレの体温が残る体を起こし、電気を着けた。


『まぶしっ……』


「ふふふっ」


『ん?』


「前にもこんなことあったな~って。」


『ああ、スミレが夜這いしたやつ』


「夜這いなんてしてない!話ししたくて来たら寝てたから、起きるの待ってたの!」


唇を尖らせ怒る表情も、拗ねて頬を膨らますのも、目が合うと逸らす視線も。
今は俺だけのモノ。
 独占欲が強くなる度、スミレを好きになる深さが増えていく。
自分でも知らなかった感情に初めは戸惑ったけど、俺も少しは秋達に近づいてるのかな?


「晴斗なに考えてるの?」


『スミレの事』


動揺してるスミレを抱き締めながら、いつか、気持ちを伝えられる日がくるんだろうか?そんなことを考えていた。