「ねぇ、越前くんって好きな子とかいるわけ??いるなら手伝ってあげてもいいわよ??」

「え...!?」


あ、唐突過ぎたかも??ヤバい…。


「ごめんなさいね。貴方が人を本気で愛せるわけないわよね。」


恋愛成就も御仕事の一つ。でも今のは大天使様に指令された仕事じゃない。 この男の鬱陶しいのから逃れる為。

「今のは聞かなかった事にし…」

そう言いながら、教室から出ようとした。
            しかし、すごい力で彼に腕をつかまれた。         
「いるから!!好きな奴…!!」


彼の瞳が凄く真剣で、
あたしは目をそらすことぐらいしかできなかった。


「痛い!離して…‥。」


蚊の鳴くような声で彼に要求した。


「あっ!…ごめ‥ん。」


慌て彼はあたしの腕を離した。

あたしは何も言わず教室を離れる。