「雫さん、空さんをお借りしても?」



「今日はごめんなさい」




雫が答える前に私が遮って返事をした。


私には雫に用事がある。
それに先輩には話しにくい内容なんだ。

本当は、雫にだって相談するのは間違っているんじゃないか…と昨日散々迷ったのだ。

だけど、やっぱり私1人では未熟で。何も出来ないから。

散々他人との関わりを避けていた私にはきっと、役に立てないから。





「………空さん?」



私の様子が昨日とは違ったのか、先輩が動揺しているのが分かる。




「今日は雫と話したい事があるんです」




「……もしかして恋愛相談?」




……鋭い。


そう、私はお節介だと分かりながらも桜香さんと有馬さんについて雫に相談しようと思っていた。

桜香さん達は雫の事を知っていた。しかも昨日の口振りから親しげな印象だった。きっと、雫に聞けば素敵なアドバイスがもらえるんじゃないか…と思ったのだ。



そしてなんて誤魔化そうかと思案していると、先輩から予想外の質問をされた。