恋雪【修正中~50pまで~】



そうして授業が終わると、真っ先に雫が私の席へやって来た。




「逃がさないよ?
きちんと話、聞かせてもらうんだから!」



「……別に逃げないよ」





まだ午後の授業が1つ残ってるし。
逃げるような理由もなければ、逃げる事にメリットもない。

いずれ今日、逃げ切ったとしても話すときはくる。…雫にはそう感じる。


今までなら、自分の事は当たり前。
相手だってこんなに迫ってくる事なんてなかった。


…だから、



………………………雫が今にも飛びかかってきそうで恐い。





「空と飛川先輩って付き合ってるの?」



「………」




やっぱり皆気になるのはそこなんだ。


静かそうな風本君でさえ、聞いてきたもんなぁ…




「付き合ってないよ。
今日初めて話したばかりだし。
…まぁ、あのシーン目撃したら勘違いするかもしれないけれど、本当に付き合ってないよ」





私は少しでも信じてもらえるよう、顔色を変えずに答えた。