そうして私がグッと身構えていると、
「風本って誰?」
「―――え?」
「良いから答えて。風本って誰?」
もしかして…怒ってるんじゃない…のか?
「風本君は…クラスメートで私の席の隣の人…」
「有り得ねぇから!」
すると突然の先輩の大声に私はびっくりしてしまう。
「…っえ…と…何が?」
とりあえず状況が把握できない。
いや、先ほどまでも全く把握出来ていなかったのだが、今はそれ所の比じゃないくらい分からない。
私には、先輩がいきなり奇声を上げたようにしか見えなのだ。
「空が俺以外の男と付き合うとか有り得ねぇから。
…何で隣の席が男とかベタな事してんだよ…
空は俺と正式にお付き合いしてもらうから」
「………マジですか」
私は先輩の発言にもう、絶句…というかポカンとするしかなかった。
―――どうやら、本当に勘違いか、もしくは告白をされてしまっているみたいだ。
さすがにこう、何度も告白されたら、前者の線が薄くなってくる…
「あー…マジで無理。本当に無理。他の奴とか有り得ねぇ…」
あー…本当にどうしよう…
目の前でブツブツ言っている先輩の言葉を、私はどうやって受け止めたら良いんだろう?


