「なぁ、俺のことどう思ってる?」
それは、突然の質問だった。
多分これが本来の性格なんだろう。
目を見れば分かる。
だから、私は素直に答えることにした。
「とっても変な人」
「は――「でも、」
戸惑う彼の言葉に私は自分の言葉を被せる。
「私に温かく笑いかけてくれる――変わった人」
「は?」
「透子さんや雫…それに風本君は私にいつも優し言葉をかけてくれる人達で――
だけど、先輩は私には理解できない事ばかりを言ってくるけれど、とっても優しい笑みを向けてくれる人だと思う」
恐怖や、侮蔑。嘲笑の顔を一切私に向けない。
「あのさ、」
私は初めての冷たい先輩の声にひどく驚く。
何だか、恐い。
あぁ、やっぱり私は人と上手く付き合う事は出来ないんだろうか?
あの時と同じように、1人で過ごす方が良いのあろうか?
あまりにも、この場所は私に優しく美しくて――忘れてしまっていた。
調子に乗りすぎた。
仮にも彼は私に対して本気で質問をしてくれた人なんだ。
それなのに私は“変わった人”等と言ってしまった。
どうすれば上手く、伝わるんだろう――?


