恋雪【修正中~50pまで~】



そうして連れて来られた場所は裏校門の、傍にある木陰の下のベンチだった。

私達の高校は、校門が2つある。
1つは私を含めて大体の生徒がよく使う正門。
そしてもう1つはその正門とは反対の方角にある裏門だ。

場所の関係で裏門は急激な坂道となっていて滅多に使用しない。
使用する生徒と言えば、遅刻ギリギリの生徒が校門前に立つ教師の目をかいくぐるためとか、家が徒歩で裏門からの方が近いという生徒だけだ。

基本、活用する生徒が居ないので先生たちは裏門まで見張り番を立てないし。
つまりそれ程、人気がない。


そして何故かその近くに木々が生い茂っており、申し訳なさそうにベンチが1つ置いてある。ここは、あまり人目のない静かな場所だ。


つまり私はそんな所へ連れて来られたのだ。




「…先輩、どういうつもりですか」


「先輩…ね…
まぁ、どうもこうもさっき貴女の友人である雫さんに述べた通りですけど?」



「…いくらなんでも初対面の人に告白してくるのはおかしいと思います」





そもそも先輩なら、もっと選べるはずなのだ。
女の子に廊下を歩いているだけであんな歓声を受けていたのだから。