「空のことが好きなんですか?」
「ごほっ…」
まさかの予想外な雫の質問に私はまたもむせてしまった。
ちょっと、雫!何てことを聞くの!?
私は驚いて声も出せない。ただただ彼女の顔を凝視するばかりだ。
「えぇ、大好きです」
そしてそんな雫の冗談のようなぶっ飛びすぎた質問に至って真面目に返す先輩。
いや、真顔すぎて逆に恐い。
「………」
もう、私は黙り込むしかなかった。
少しでも何かを言えば、さらに墓穴を掘って10倍くらいで返ってきそうだからだ。
こんな臆さない人見たことない。
「では、失礼します」
私の手を握ったまま、唖然とする皆の前を通り過ぎていった。
雫は私の方を見て、悪戯な笑みを浮かべ私に目配せするばかり。…あぁ、きっと後で問い詰められるに決まってる…


