恋雪【修正中~50pまで~】



あぁ…成る程。


これは嘘だ。それか人違い。




理由は言わなくても簡単な事だ。

こんなにかっこよくて、私の知らない出会い方で、しかも地味な私に告白なんて有り得ない。


信じろという方が無理な話だ。




「きっと、人違いですよ…?」





とりあえず無難な推測の方から述べる。
さすがに初対面の人に嘘つき呼ばわりはマズいと思ったからだ。





「俺が見間違えるはずがない」





一体どこから来るんだ、その自信は。


と、とりあえずこの訳の分からない状況をどうにかしないと…厄介事はゴメンなのだ。
きっとこの人は関わってはいけない人種だ。

さっきも何だか追われてるみたいだったし。それに第一印象がアレじゃあ…怪しすぎる。何を考えているのか分からない。表情も作り物だ。


不安要素しか出てこない。





「その顔は信じてないね。……それなら分からせるまでだ」




そう言って、私を突然抱きしめた。




「本当は、激しくキスしたいんだけど…理性飛びそうだから勘弁してやる」



「………」





何だか…この人さっきから言葉が崩れてないか?

段々物腰柔らかな丁寧口調がとれている気がする。


…私の気のせいだろうか?