しかし、よくよく考えてみるとこの人は私の事を知っているように思えた。
口ぶりからして言葉の端々にそう言った要素が出てくるからだ。
「あの…私と以前どこかでお会いしましたか?」
「うん。
まぁ、君は知らないだろうけど。
それでもその時、君―――空は俺の“特別”になったんだ」
「特別……?」
今いち距離感が分からない。
「はっきり言うと、俺は空が好きなんだ。
だから、俺と正式にお付き合いして欲しい」
えっ…これって…
「………まさか、告白…じゃないですよね…?」
いやいや、自意識過剰にも程があるのは分かっているのだけれど。
それでも聞き間違えでない限り、告白にしかその内容は取れないんだ。
私は焦る心を何とか落ち着かせ冷静に尋ねる。
そしてどうか私の聞き間違いか、勘違いである事を祈った。
「そのまさかだよ。
俺は空に告白してるんだ」
私は言わずもがな絶句した。


