私はプリントをやっと資料室に運び終えることができた。
い、意外と多かった…
今度からは、注意しようと心に誓う。
「ふぅ――…」
3クラス分だから並の量じゃなかったのだ。
決して大袈裟な表現じゃない。
そして、ふと誰も居ない資料室を見渡す。
余り光が当たらないここは、昼前なのに室内が少し暗かった。
物を運ぶぐらいなら明りを点ける程ではないけれど、ぎっしりと詰まっている本棚の本や、重ねられた束の資料の文字を読むには難しい明るさだった。
そしてそれらの物のせいでほとんど資料室は物置と化し、スペースがあまり無い。足場もあまり無く、頑張って人が10人くらい入れる広さだった。
そしてその時だった。
ガララッ
扉が開いた。
…あれ?他にも誰か先生に頼まれたのだろうか?
「ハァ―――――…」
重いため息を吐きながら入ってきた不審人物は、私が居る事も知らずしきりに扉の外を窺っている。
…この場合、私はどうやって声を掛けたら良いのだろうか?


