恋雪【修正中~50pまで~】



「香椎!!入学早々俺の解説を無視とは良い度胸だな?」




しまった。

今は数学の授業で、丁度先生が問題の解説をするところだったらしい。

あー…なんてタイミングが悪いんだろう…



この教師は、自分の授業を聞いてもらえないととても不機嫌になるタイプだ。
いや、当たり前の事なのだろうけど教科の先生によっては、授業中に他の授業の課題消化をしてても怒らない人も居る。


でも、すっかり私はそんな事を忘れ、窓の外を眺めてしまった。


上手く言い訳も作れず、ただひたすら教師の鋭い視線に耐えていた。




「次の休み時間、プリント運ぶように」





はぁ…


私は気付かれないようにそっと息を吐く。



そしてすでに先生は教科書を眺めながら、次の問題に取り組む姿勢を見せていた。