恋雪【修正中~50pまで~】



でも、この町には長く居たいんだ。

だから出来るだけ、友達だなんて多くは望まないけれどわだかまりは作りたくない。悪目立ちもしたくない。


何とかフォローしようと言葉を出そうとするけれど、上手く声には出なくて…



でも、そんな時だった。





「……風本京葉(カザモトキョウハ)」




ボソッと呟いて、風本君は机に突っ伏して寝てしまった。





「………」





私はそんな彼の言葉に放心する。


―――…きっとこの人も不器用だけど優しい人だ。




そんなほのぼのとした朝の時間は過ぎ、退屈な授業を知らせるチャイムが鳴った。


基本、授業は真面目に受けるけれど、やっぱり窓の外が見たくてチラリと視線を黒板からそこへ移す。


だって、雨が降り始めたのだ。
私は雨が、嫌いじゃなかった。




――…でも、それがいけなかった。