ミルフィユと猫被り



「なんかさ…付き合ったって報告きたら、妙に苦しくなっちゃって。あたし……好きだったのかなって。」



下睫毛に涙が引っ掛かる。


ヤバイ、泣きそうだ……



「ただの友達だと思ってたのに、苦しくて苦しくてさぁ……ひっ……」


「ぢゃ、仲間ぢゃん。」



ついに嗚咽が漏れ始めたあたしに疾太が口を開いた。



「…俺、ずっと片思いしてた子、灯貴に取られちゃってさ。恭にも彼女がいて、俺独りぼっちになっちゃったんだ。だから、仲間。」


「そ……だったの?」


「うん。……って、すんません!俺、流れに任せてタメ語使っちゃって!」



さっきまであんなに大人びて見えた疾太が、一瞬にしていつもの疾太に戻ってしまった。


まるで魔法が覚めたようだった。


そのギャップに少し笑えた。