ミルフィユと猫被り




『好きです、付き合って下さいっ…!』



涙でぐしゃぐしゃな顔で、鼻声での精一杯な告白。


俺たち兄弟、月華と桜空姉妹が、長年望んできたこと……。



『答えなんて…決まってるし!』



俺と兄貴も負けじと答える。


こんな複雑でミルフィユのような作戦を立てなくたって、


猫を被り計算して別人格を作らなくたって、



『…よろしく、お願いします!』



俺たちは、かなり前から結ばれる運命だったんだから。


《終わり》