ミルフィユと猫被り



携帯を片手に持ったまま。


ここが重要!


テストには出ねぇけど、俺が一番覚えとくべきだったこと。



「はぁ、風呂入っかな…。母さん!風呂沸いてる?」



兄貴はさも《俺》のオーラを出しながらそう言って机に肘を突き、こめかみを掻く。


その時、突然お尻に振動が走った。


それと同時くらいに桜空が兄貴を見て顔を綻ばせて笑う。



「えへへ♪今日、灯貴に教えてもらっちゃったー!」