ミルフィユと猫被り



「もーっ、冷めるわ!早くカレー食べちゃって♪」



母さんはすぐにカウンターから顔を出して笑った。


俺は、一口カレーを運びながらふと思った。



今までの会話でみんな《俺》をなんて呼んでた…?



『《しゅ〜んん〜》?今、いい年してる癖にって、思ったでしょう…?』


『やっ、やめてあげて…!《瞬》兄苦しそう…!!』


『やだ、《瞬》はお嫁の心配いらないわね…。』



兄貴は、俺を見てウィンクする。


俺は、その仕草で、兄貴が言いたい大体のことが分かった。


なっ………


まぢか…もう作戦開始?!