ミルフィユと猫被り




月華は、はっと口に手を当てて座り込む。



「すいません…。突然大きい声、出しちゃって。」



顔を赤らめて静かに謝る。


母さんは、いやいや!と、叫びながら顔の前で勢い良く手を往復させる。



「いいのよ!!ごめんね、例え幼なじみだって、れっきとしたお客様なのにね。私が悪かったわ!」



あはあはと無理矢理の作り笑顔で台所に駆け込んでゆく。


『やだ、瞬はお嫁の心配いらないわね…。』なんて、でかい独り言を言いながら。