ミルフィユと猫被り




「しゅ〜んん〜?今、いい年してる癖にって、思ったでしょう…?」



母さんは、二人前のカレーを持ちながら肘で首をぐいぐい押す。


くっ…さすが、元ヤン…!


喧嘩なら並の男にゃ負けんだろーね……。



「やっ、やめてあげて…!瞬兄苦しそう…!!」



すると、突然月華がテーブルに両手を叩きつけて立ち上がった。


母さんはびっくりして力を弱め、兄貴は目を丸くし、桜空は手悪戯をやめた。


俺は、ぼんやりと今起こっている状況に耳を傾ける。