「あれ?拓真は食べないの?」


甘いもの好きなはずなのに…


「お腹いっぱいだから」


ぐーと鳴り響くお腹の音。


拓真を見ると、顔を赤くしていた。


「お腹空いてるんじゃん、拓真くん。あ、もしかしてお金なくなっちゃった?」


ゆうちゃんが笑をこらえながら聞く。


「…あぁ」


ぷいっとそっぽを向いて答える拓真。


「拓真!これ食べる?」


「いいよ。食べろよ」


「いいよ、食べて。拓真もいちご好きでしょ?」


「じゃ遠慮なく」


にやっと笑うと、拓真はクレープを全部食べた。


「あ!!なんで全部食べるの!?」


「食べていいって言ったじゃん」


「一口って意味だよ!あぁ、私のいちご…」


残ったクレープの紙を見つめる。


いちご…


はあと小さくため息をついた。