この声が届くまで






奏は愛彩たちを捨てたわけじゃない

奏は一度だって愛彩たちを忘れたことなんて無い



拓からそう聞いた




離れていても愛彩を励みに頑張ってた


拓が言いたかったのは

だからおまえも頑張れだったんじゃないかな




「 ありがとう 」




自然とでてきた言葉だった

何に対してかも、誰に対してかもわからない


でも愛彩は常に感謝してた