この声が届くまで






「 愛彩、奏のお嫁さんになりたいです 」




それが一番の返事だった




「 十弥 」




奏は十弥を愛しそうに呼んだ

そうだよね、十弥は覚えてないよね


だって産まれたばっかの時以来




「 十弥、俺がパパになっていい? 」




十弥は奏を少し警戒していた

でも、愛彩が笑うと十弥もニッコリなった




「 いいよ! 」




そのときの奏の笑顔といったら
言葉には表せないほど、無邪気だった