この声が届くまで






「 愛彩、やっぱり行きなよ
後悔するよ?
もう二度と会えないかもしれないんだよ?

それでもいいの!? 」




みんながみんな、奏、奏、奏…

煩い、黙って




「 奏、待ってる…
愛彩のこと待ってるんだよ? 」

「 そんなわけ… 」

「 十弥っちは?子供の父親は奏しか居ないんでしょ! 」




めったに泣かない十弥が、泣いていた