「しかし残念だな。せっかく彼女を遥に紹介しとこうと思ったんだけどな。」


「えっ?俺に?」


いきなり俺の名前が出てきて驚く。


「あぁ。遥の隣の席の女子生徒もお前と寮が一緒なんだ。まぁ、寮に帰ったら顔合わせるとは思うから、その時紹介するよ。」


隣の席に座ってたお人形のように可愛いらしいあの女子生徒と一緒の寮…


どうしよう。ちょっと嬉しいかもっ。


「あ、そうだ。遥は今日、日高と同じ授業を受けてもらうけど…。日高、遥のことよろしく頼むな。」


ヤマト兄にそう言われ、俺は日高さんに目を向けた。


あ、そうか。俺まだ選択授業で何を取るか決めてないから今日は室長である日高さんと同じ授業を受けるって朝、ヤマト兄が言ってたっけ?


「はい、わかりました。遠山君、今日一日よろしくね。」


「は、はい。よろしくお願いします。」


「ふふっ。そんなに硬くならなくても大丈夫よ。もしかして緊張してる?」


日高さんがそう言うと自然と周りに笑いが起こる。


「遥。大変だとは思うが、一学期分の選択授業。明日から受けれるように今日中に用紙を提出してくれよ。」


「う、うん。わかった。」


そうだ。選択授業、学園の資料でまだサラッとしか見てないや。

今日中に提出か…うーん。

どうしよう。ちゃんと決めれるかな。



「…遥!選択授業迷ったら俺に聞いてくれよ。どんな授業なのか解説くらいは出来るし。」


そう言ってくれたのは副室長の風間君だ。


うわっ!もう俺のこと呼び捨て…。なんか嬉しいな。