「悪いな、2人共。編入生に室長と副室長を紹介したくってな。自己紹介頼めるか?」
ヤマト兄の言葉に2人が「あぁ」っと納得した顔をした。
「日高愛穂です。一応このクラスの室長だから、何かあったら気軽にいってね。」
「俺は風間貴明。このクラスの副室長。よろしくな!」
風間と名乗った男子生徒はニカッと笑うと手を差し延べてきて、ブンブンと握った手を振った。
「あっ、そういえば早瀬先生。西川さん、早退しました。」
日高さんの言葉にヤマト兄は「えっ?」と声をあげた。
「体調不良か?」
「う~ん…どうでしょう。元気そうだったんで違うと思いますが。」
「そうか。まぁ単位も足りてるし。…わかった、わざわざ報告ありがとな。」
単位が足りてる…
普通の高校じゃあまり使われないかもしれないけど、この高校は大学のようにほとんどが選択授業。
そして決められた単位数を取得すれば卒業できるというシステムになっている。
だからある程度単位数が取れている生徒は自由に帰宅しても何も問題はないみたい。
実際はクラス分けはされているけど、必須授業的なものは朝のHRと一時間目だけとなっているので二時間目以降は選択授業でクラスメイトたちとはバラバラになることが多い。
本当に変わった学校だな~とつくづく思うよ。