カリソメオトメ

 あたしはアキラを膝枕しながら、彼の寝顔を見詰めていた。可愛くて、愛しくて、見ているだけなのに切なくなってしまう。

 こんなに誰かひとりを好きになれるなんて、凄く不思議に思えた。褪せた髪に指を通すと、少し痛んでいるそれが指に絡んでしまった。
 でも、今はその感覚が嬉しい。

 明日は朝からバイトだ。この部屋からバイトにいくのが少し恥ずかしい気がする。バイトが終わったら、ここに戻っくるんだよね、あたし。

 それって、一緒に暮らしているってことになるのかな……。

 考えるの、やめようっと。
 考えると深みにはまりそうな気がする。
 あたしはただ、アキラの寝顔を幸せな気持ちで見詰め続けた。