ファーストキスはレモン味?いちご味?



なんでも良いや。


好きな人とだったらなんだって幸せだもの。


ねぇ、そうでしょ?




「実際味なんかしないけどねー」


「ちょっとー!」



「真子はマンガの読みすぎ。一瞬唇がくっつくだけなのに、味なんかするわけないのよ。」



そう言って真奈美はピンクのグロスを唇にのせた。



ファーストキスもまだなわたし、神崎真子。

花の高校三年生!



いつか本当に好きな人と…

そう思い続けて早数年。


いつの間にか18歳になりそうです。



「まぁ、最初から濃厚なチューすれば味はするかもね?」


いひひ、と悪戯っ子の様に笑う真奈美は中学生ですでにファーストキスを終えている。


「私はね、学校の帰り道の別れ際だったり、観覧車の頂上。
それから誰もいない放課後の教室。」


そう、

そういうベタなシチュエーションが良いの。


夢見る女の子、なんてよく言われるけどそれでも良い。


だって夢なんだもん!