あたしが二言三言言葉発したたあと、落ち着いたらまた電話する、と言って電話は終了した。
「香織?親父さんから電話?」
「あ、うん…」
グルグル回る。
どうしたらいいんだろうか。
まさか、今回のことがこんな風になるなんて。
あたしは思ってもみなかった。
心配そうにあたしをみる雄大。
話した方がいいよね。
てゆうか、話さなきゃ。
「かおり、平気?」
震える手をギュッと今度は握りしめてくれる。
その手がとても暖かくて落ち着く。
「あ、あのさ…」
嬉しいような、悲しいような。
そんな複雑な感情がまざりあう。
「お父さんと、お母さん、やり直すって…
それで、借金はなくなるらしい」
つまり、あたしはここを出ていかなくてはいけないんだ。
そう考えた瞬間、また、一筋の涙が頬を伝った。