話の腰を折るように紗季が言う。
みんなの視線があたしに集まる。
「どうするって、なにが?」
意味がわからないあたしは、首をかしげた。
はぁ、とみんなからため息がこぼれる。
「だから、好きなんじゃないの?花木くんのこと。」
「…え………!?」
すき?
あたしが?
雄大を?
いやいや、それはないって。
さっき思ったばっかだし。
「香織さ、自覚ないみたいだから言うけど、
なんとも思ってない男を意識して話せなくなるなんて、恋以外ないと思うよ?」
きっぱりと南が言う。
さっきまでヘタレてたのに。
何て言えるわけもなく、あたしは考えた。
恋とか今まで無縁だったし。
だから、よくわからないけど。
「これが好きってことなの?」
「そうだと思うよ?」
だとしたらあたし、この状況やばくありませんか?

