「それって恋だよ!!」
ゴホッ!?
「ちょっと、香織へいき??」
昼食中。
南が同じサークルの先輩が気になると言うことを話している。
その会話を聞いていたら、なんだか自分と似てるな、と思った。
あれ、あたし雄大のこと好きなのかな?
なんて考えてたら、思わずむせてしまった。
「ごめ、平気…」
水を一気に飲みほし、あたしはまたご飯を口にいれる。
あり得ないことを考えた。
あたしが、あの俺様雄大を?
ないない。
第一タイプじゃないし。
それに、あたしたち偽物だし。
恋とか面倒だし。
お父さん行方不明だし。
こないだ、雄大がかっこよく見えたのは怖かったからで。
「香織、どうゆうこと??」
「え…?」
ガシッ、とあたしの肩を勢いよく掴むサヨちゃん。
周りを見ると、にこやかに笑うみんなの姿。
「もしかして、声に出てました?」
みんなが頷いたのは、言うまでもない。

